エネルギー管理士の合格部屋 エネルギー管理士用語集

エネルギー管理士用語集(省エネ関連用語) A〜Z

BEMS(Building and Energy Management System)

 「BEMSについては、次に掲げる事項の措置を講ずることにより、エネルギーの効率的利用の実施について検討すること。」
(1)エネルギー管理の中核となる設備として、系統別に年単位、季節単位、週単位、日単位又は時間単位等でエネルギー管理を実施し、数値、グラフ等で過去の実績と比較したエネルギーの消費動向などが把握出来るよう検討すること。
(2)空気調和設備、電気設備等 について統合的な省エネルギー制御を実施すること。
(3)機器や設備の保守状況、運転時間、運転特性等を比較検討し、機器や設備の劣化状況、保守時期が把握できるよう検討すること。

COP(Coefficient of performance)

 成績係数。冷凍サイクルで、入力に対する出力(仕事量)の比率をいう。「仕事量(冷凍能力、暖房能力)」を「入力(電動機入力、ガス量など)」で割ると求められる。

COP3(Conference of Parties)

 気候変動枠組条約第3回締約国会議。気候変動枠組条約加盟国の会議で1997年12月1日から10日まで京都で開催された。温室効果ガスの削減枠を先進国に割り振るなど、京都議定書を採択した。

ESCO(Energy Service Company)

 直訳するとエネルギーサービス会社。通常、ESCO事業とかESCO事業者といった感じで試験に出る。
 工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なうことなく省エネルギーを実現し、さらにその結果得られる省エネルギー効果を保証する事業のこと。ESCOの経費はその顧客の省エネルギーメリットの一部から受取ることも特徴となっている。温暖化対策に有効。
【包括的なサービス】
?省エネルギー方策発掘のための診断・コンサルティング
?方策導入のための計画立案・設計施工・施工管理
?導入後の省エネルギー効果の計測・検証
?導入した設備やシステムの保守・運転管理
?事業資金の調達・ファイナンス

FEMS(Factory Energy Management System)

 直訳すると工場エネルギー管理システム。エネルギー管理士用語の中でもちょっとマイナーな用語かもしれません。
今までの受変電設備(配電系統設備)のエネルギー管理と並行して工場の生産設備のエネルギー(電力)使用状況・稼働状況の計測とか管理、工場内設備や機器のトータルライフサイクル管理の最適化を図って省エネを実現するためのシステム。
【FEMSのシステム機能(3種類)】
「データ収集機能」生産設備と連動した生産数・消費電力などのデータを収集
「データベース管理機能」エネルギー実績・原単位などのデータベースを管理
「監視・管理機能」パソコンなどによって管理

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)

 直訳すると気候変動の政府間委員会(会議)。人間活動の拡大に伴う大気循環の変化が気候、食料、エネルギー、水資源など社会のあらゆる分野に重大な影響を及ぼし、経済の持続的成長を阻害しかねないと言う共通認識を背景に、国際的な取り組みを検討する政府間会議。世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)のもと、1988年に設立され、その第一次報告書を1990年に発表した。ちなみに第1回会議は1988年11月にジュネーブで開催され、3つの部会が設けられた。

PDCA Cycle(PDCAサイクル)

 P:Plan(計画)、D:Do(実行)、C:Check(分析)、A:Action(分析結果)の頭文字をとって円形にしたもの。品質管理(QC)用語。

エネルギー管理士用語集(省エネ関連用語) あ〜わ

アジェンダ21

  英語のAgendaは計画、予定表などの意味。1992年リオデジャネイロでの国際環境開発会議(地球サミット)で採択された文書。21世紀に向けて持続可能な開発を実現するための1000以上の行動計画を収録。

一次エネルギー

 変換前のエネルギー資源。化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)、ウラン、自然エネルギー(太陽光、水力、風力など)から得られるエネルギー。

インバータ制御

 直流電力を交流電力に電気変換する電源回路。直流を交流に変換し、その周波数を交流に変換して出力する。自由に周波数を発生できるから交流電動機の回転制御に使われる。省エネに貢献。 ちなみに、交流電力→直流電力は整流器。

ウラン

  原子番号92のウラニウムのこと。天然ウラン(ウラン238が約99.3%、ウラン0.7%)のウラン235の割合を2〜3%まで濃縮した低濃縮ウラン燃料を用いて原子力発電に利用する。

液化石油ガス(LPG 通称LPガス Liquefied Petroleum Gas)

 単純に言えばプロパンガスのこと。都市ガスじゃない場合、家の外にあるアレです。油田から産出するものと、石油化学工場などの石油精製過程で副生するものがある。炭化水素(プロパンC3H8、ブタンC4H10など)の混合物。常温常圧ではガス状で、このガスを加圧または冷却して液化したもの。家庭用、工業用、内燃機関用燃料、都市ガス原料として使用さ れている。輸入が5割(不飽和炭化水素系)で、製油所での副生するものが5割(飽和炭化水素系)。貯蔵方法は中容量以下の場合、常温高圧タンク。大容量の場合、低温常圧タンクを使用。

液化天然ガス(LNG Liquefied Natural Gas)

 主成分がメタン(CH4)の天然ガスを冷却して液体したもの。天然ガスをマイナス162℃で液化すると体積は元の約600分の1になり、その状態で専用タンカーで輸送され、大型断熱タンクに貯蔵される。この体積の急激な小さくなる特徴が大量輸送、大量貯蔵を可能にしている。クリーンなエネルギー。

エクセルギー(有効エネルギー)

  高温熱源から熱量Qが与えられたとき、その熱量すべてを仕事に変換出来るわけではない。仕事に変換出来る部分を有効エネルギー(エクセルギー)とよび、変換できない部分を無効エネルギー(アネルギー)とよぶ。ただし、電気エネルギーは全てを仕事に変換できるのでエクセルギーはエネルギーに等しい。燃料のエクセルギーはエネルギー値に気体燃料の場合0.95を、液体燃料の場合0.975を乗じる。一部のエネルギーが逃げるため。

エネルギー原単位(エネルギー消費原単位)

 エネルギー使用量を、「生産数量又は建物床面積その他エネルギー使用量と密接な関係を持つ値」で除したものでエネルギー管理の指標となるもの。これは生産量や建物面積が増えればエネルギーの消費も増えるということを前提として指標としたもの。「生産数量又は建物床面積その他エネルギー使用量と密接な 関係を持つ値」は工場であれば作る製品の個数、重量など、建物であれば延床面積が採られることが多いがそれぞれの工場、事業場でそれにあった量を採用することが必要。
 工場全体の省エネルギー指標としてのエネルギー消費原単位は、全体のエネルギー量を全体の生産数量で除した数値となる。しかし多種類の製品を作る工場では工場全 体の生産数量を一つの数量で表すことはできない。工場全体の原単位でも、これを低減に向けて管理しようとすればその構成要素にさかのぼって解析することが必要で、結局は製品別・工程別の原単位を管理することになる。さらに燃料・電力・用水・圧空などエネルギーの種別あるいは用途別に原単位を把握して、これと 生産量・歩留まり・生産機械の性能との関連の解析が必要になる。
 同業の他業種・事業者との省エネルギー性比較、自社の省エネルギー改善の余地あるいは省エネルギー達成の評価の尺度として用いられる。
 エネルギー使用量が燃料であれば燃料原単位、電力量であれば電力原単位、蒸気であれば蒸気原単位と呼ぶ。
 熱と電気の両方が使用されている場合、電力を一次エネルギー換算して熱量に加算し、全エネルギーとすることにより一次エネルギー原単位を計算する。

温室効果ガス

 地表面から放出される赤外線(4〜30μm)が大気中の水蒸気や二酸化炭素などに吸収されて、逃げる熱の一部を地表面に再放射するため気温が上昇する現象。温室効果ガスとしては水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン、6フッ化硫黄などがある。このうち水蒸気以外のガスは、京都議定書で排出規制対象。

温度効率

 熱交換器の性能を表す指標の一つ。温度効率は、最大限度利用可能な温度差(高温流体と低温流体の入り口温度差)に対し、高温流体の温度がどの程度低下したかをみる高温流体側の温度効率ηh、低温流体の温度がどの程度上昇したかを見る低温流体側の温度効率ηcがある。
 熱交換器の性能の表す指標は他にエネルギー効率がある。

ガスクロマトグラフ法

 クロマトグラフは、複雑に混合した状態で存在している多数の微量有機化合物を細かく分離して、個々の化合物の存在量を調べることを可能にする装置を利用した分析方法で、精密測定では一般的に用いられている方法です。クロマトグラフ法は大きな面積を有する固定相と呼ばれる部分と、これに接して流れる移動相との間に、分離すべき成分を分配させる物理的な方法である。成分が含まれた試料が液体状か気体状かの違いにより液体クロマトグラフ法とガスクロマトグラフ法に分類されます。

カスケード制御

 制御にはおおまかに言えば2種類あって、追従制御と追値制御がある。
 追値制御は、カスケード制御、比率制御、プログラム制御に分けられる。
 「フィードバック制御系において、一つの制御装置の出力信号によって他の制御系の目標値を決定する制御」 かなり良いシステム。

ガスタービンサイクル機関

 別名をブレイトンサイクルという。
 基本は、内燃機関なのでオットーサイクル機関、ディーゼルサイクル機関と同じ。
 吸気・圧縮・膨張・排気の工程を繰り返す。

高発熱量

 たとえば標準状態(1気圧、25℃)で燃料(1kg、1m3、1L)を乾燥空気で完全燃焼させる。
その燃焼ガスを25℃(元の温度)まで冷却したときの熱量を発熱量という。
高発熱量は燃焼過程で水素と酸素の反応で生成する水蒸気及び燃料中の水分が蒸発して発生する水蒸気の蒸発潜熱・凝縮潜熱を含めた発熱量のこと。
高発熱量から蒸発潜熱・凝縮潜熱を引いたものが低発熱量です。
「高発熱量が使用されている主なもの」
?総合エネルギー統計をはじめとする統計類
?日本の火力発電所の発電効率
?省エネ法で使用される発熱量
?日本のCO2排出量計算に使用される発熱量 等がある。
「低発熱量が使用されている主なもの」
?ボイラ設備の熱効率
?原動機の熱効率
?CGSの性能表示
?IPCCのCO2排出量計算に使用される発熱量 等がある。

気乾ベース・無水ベース

 この用語は結構地味なので、検索をかけてもあまり意味とかが載っていない可能性が高いので書いておこうと思います。
【気乾ベース】
室温において実験室の雰囲気に平衡させた状態のことです。
分かりやすく言えば、空気中で十分に乾燥させた状態ということです。
【無水ベース】
気乾ベースの試料から水分を差し引いたもののことです。

 たとえば、石炭のような固体燃料では、燃料が置かれている環境条件(周囲の環境とか雨の日なのか晴れの日なのかとかそういったこと)によって含まれる水分が違うから、燃料に含まれる水分の条件を明確にするために、使用時ベース、気乾ベース、無水ベースなどに区別して発熱量の値を表示することになっています。一種のルールみたいなものです。JIS規格。
使用時ベースというのは、実際にその固体燃料を燃焼する際の状態のことです。

周囲環境の条件によって燃料の表面に付着した水分を湿分といいます。この湿分と気乾ベースの水分(湿分)の合計を全水分といいます。

 固体燃料の高発熱量は気乾ベースのものを試料として測定されますが、試料中の水素の元素分析値は無水ベースで表示されるので、使用時ベースの低発熱量を計算する場合は、使用時ベースの湿分をw[kg](使用時ベースの燃料1kgのうちw[kg]が湿分として付着しているという意味)とすると、使用時ベースの1kgは、気乾ベースでは(1−w)[kg]となります。
だから、気乾ベースで測定された高発熱量をH’とすると、
使用時ベースの高発熱量はH=H’(1−w) [MJ/kg-f]←標準状態
このようになります。

成績係数(Coefficient of performance COP)

 冷凍サイクルで、入力に対する仕事量(出力)の比率のこと。別名、動作係数ともいう。
 冷房機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数。消費電力1kWあたりの冷却・加熱能力を表した値である。文部科学省『学術用語集』の「物理学編(増訂版)」や「建築学編(増訂版)」では「成績係数」、「船舶工学編」では「動作係数」となっている。 COP(無次元)=仕事量(冷凍能力、暖房能力)/入力(電動機入力、ガス量など)
 COPは無次元なので、分母と分子の単位を揃える(例えば、kWに揃える)必要がある。
 COPは省エネ法にも採用されているため、冷房機器の性能指標として広く一般に浸透している。冷房機器をある一定の温度条件の下で運転した場合(定格条件)の性能を評価することから定格エネルギー消費効率とも呼ばれ、定格冷房・定格暖房時の消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力を表したもの。
 その値は冷房機器の場合、
  冷房能力(kW)÷冷房消費電力(kW)=冷房COP
で表される。
 圧縮式冷暖房機(エアコン)のCOPは、冷房時で3.5-6.5程度であり、暖房時の方が冷房時より多少高い値を示すことが多い。吸収式冷凍機のCOPは、冷房時で 1.0-1.2程度であり、暖房時は0.7-0.8程度である。
 なお、理論的な性能を語る場合には圧縮機の主機動力のみを分母とすることがあるので注意を要する。

排出権取引(排出量取引)

 温室効果ガスの排出許容枠を売買する仕組み。温室効果ガスの削減目標未達成の国が、達成した国から排出権を買い取る。CDM又はJIで取得した排出削減量も対象になる。EUでは、各企業へも排出枠の割り当てがなされ、初期段階の企業間取引が始まっている。排出量取引と呼ばれることもある。
CDM(クリーン開発メカニズム)とは、先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度のこと。
 JI(共同実施)とは、先進国同士が共同で温暖化対策事業を行い、その事業によって削減された排出削減分を事業の投資国と実施国とで分け合うことができる制度のこと。

理論空気量

 単位量の燃料に含まれている炭素、水素、硫黄などの可燃成分を理論的に完全燃焼させるのに必要な空気量で、燃料組成から計算で求めた最小限に必要な空気量をいう。重油は約10.7-10.9m3/kg、LPGは約24m3/m3である。
単位量の燃料についで[m3N/kg],[m3N/m3N],[kg/kg]のように表され、燃料組成から求められる。
必要酸素量を求め、空気中の酸素割合(体積比で21%、重量比で23.2%)から計算できる。理論空気量は発熱量にほぼ比例する。

【気体燃料の場合】
気体燃料中のH2,CO,CH4,…,CxHy,O2の容積分率を

それぞれ(h2),(co),(ch4),・・・,(cxhy),(o2)で表すと、
気体燃料(1m3N)当りの理論空気量は次式で与えられる。
AO=1/0.21[0.5(h2)+0.5(co)+2(ch4)+…+(x+y/4)(cxhy)-(o2)][m3N/m3N]
上式の各成分の係数はそれぞれ1m3Nを燃焼するのに必要な酸素量である。
xは燃料cxhyの炭素の数、yは水素の数である。
なお、最後のo2は燃料中の酸素である。
なお、気体燃料がcxhyで表されるならば、理論酸素量とそれに伴う窒素量は次のように表される。
O2量 (x+y/4) m3N
N2量 3.76(x+y/4) m3N

エネルギー管理士(エネ管)国家試験の参考書

エネルギー管理士 熱分野

エネルギー管理士参考書 電気分野


 

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